007/スペクター | 伝説の悪の組織が44年ぶりに復活!冒頭のガンバレル、Qのガジェットも活躍するなど原点回帰を果たした王道のボンド映画

 

あらすじ

過去からの謎めいたメッセージにより、邪悪な組織の正体を暴くべく導かれるボンド

Mがシークレットサービス存続のために政治的圧力と闘う中、ボンドはスペクターの背後に隠された恐ろしい秘密に迫っていく…

キャスト、スタッフ

 

キャスト 役柄
ダニエル・クレイグ ジェームズ・ボンド
クリストフ・ヴァルツ フランツ・オーベルハウザー
レア・セドゥ マドレーヌ・スワン
モニカ・ベルニッチ ルチア・スキアラ
デイヴ・バウティスタ ミスター・ヒンクス
レイフ・ファインズ
ベン・ウィショー
ナオミ・ハリス マネーペニー
アンドリュー・スコット
イェスパー・クリステンセン ミスター・ホワイト

 

スタッフ
原作 イアン・フレミング
監督 サム・メンデス
製作 バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソン
脚本 ジョン・ローガン、ニール・パービス、ロバート・ウェイド、ジェズ・バターワース
撮影 ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集 リー・スミス
音楽 トーマス・ニューマン
主題歌 サム・スミス

「Writing’s On The Wall」

興行収入

全世界で興行収入8億8000万ドル(約953憶)を記録、2015年全世界興行収入ランキングでは6位を記録

前作『スカイフォール』の11億ドルを大幅に下回る結果となりましたが、日本での興行収入は29憶6000万を記録して、スカイフォール(約27億円)越えの健闘をしました

 

感想(ネタバレ有)

監督は『スカイフォール』から引き続き、サム・メンデスが担当

当初はスカイフォールで降板する予定でしたが、007のプロデューサーからの熱いラブコールに負けて、満を喫してスペクターでも監督をすることに

 

物語はスカイフォールの続編となっており、新しくなったM、マネーペニー、Qも再登場する新体制で物語が始まります

 

そして、今回の一番の目玉と言えば作品のタイトルにもなっている『スペクター』

SPECTRESPecial Executive for Counter-intelligence, Terrorism, Revenge and Extortion(防諜・テロ・復讐・恐喝のための特別機関)の頭文字を取った名称

初期のボンド映画では欠かすことのできない敵対組織で、組織の首領エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドは007シリーズの悪役の中でも1、2を争う人気を誇るキャラクターの1人

顔は接写せず、膝に猫を抱いてる姿は有名で、様々な映画や作品でもパロディにされました

 

3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーアの作品からは権利関係の問題でスペクターとブロフェルドは登場しなくなりましたが、製作側は度々、復活を模索してきた過去があります

10作目「私を愛したスパイ」では、ブロフェルドを黒幕として復活する案もあったそうですが、権利関係が解決できずに断念

しかし、12作目『ユア・アイズ・オンリー』の冒頭で、ブロフェルドのような人物が登場しています

呆気なくボンドに始末されてしまいますが、これは製作側がスペクターやブロフェルドとの決別を表現したような気がします

ブロフェルドを雑に煙突の中に投げ捨てるシーンは、まるで厄介者をゴミ箱に放り込むみたいですよね(英国流の皮肉をこめたジョークなのか?)

権利関係の問題や様々な因縁を解決して、実に40年以上の時を経て復活した悪の組織スペクター

いったい、どんな展開になるのか?蓋を開けると予想外な作風に戸惑いました

 

『スカイフォール』でシリアス路線に一区切りし、『スペクター』では王道ともいえるボンド映画を目指したのでしょうか?

予告編第1弾が解禁された時はスカイフォール風の作品ができるものだと思っていましたが、予告編第2弾では激しいアクションに加え、ガジェットが搭載された新型アストンマーティンが登場するなど旧シリーズのテイストが見受けられました

 

全体的に何だか懐かしい、そして、少しダニエル・クレイグだと少し違和感がある展開

オープニングでガンバレルシークエンスの登場は13年ぶりだったので、この時点でテンションが急上昇(笑)

やはり、ガンバレルで始まるのが007ですからね

 

冒頭の死者の日はエキストラを1000人以上動員して撮影しただけあって臨場感が満載

ただ、実際にメキシコで開催されている死者の日とは、やや表現が異なるとのこと

 

今作も追走劇で幕を開けますけど、ダニエル・クレイグのボンドでは、もはやお決まり

ヘリを使った空中戦でのアクションなど、見せ場がてんこ盛り

荒々しく任務を遂げたところでオープニングに入るんですけど、その入り方が絶妙でした

スペクターの紋章が入った指輪から導かれるように始まるオープニングクレジットは、ボンド映画トップクラスの始まり方だと思います

 

クレジットでは過去作の登場人物、シルヴァ、ヴェスパー、ルシッフル、Ⅿが登場するなど、ダニエル・クレイグ版007の集大成のような演出は必見

 

クレジットが明け、Ⅿのボンドへの説教は過去のボンド映画では、お決まりの展開ですからね

その説教中に登場するマックス・デンビー(通称:C)からMI6が解散の危機にあることが判明しますが、また、この流れ!?

スカイフォールでもMI6解散の危機でしたし、近年の007シリーズはお家騒動がお好きですよね

 

Ⅿから無期限謹慎を言い渡されるも、ボンドが素直に謹慎に入るわけがなく、Qに強引に協力してもらう形で任務を続けることになるんですが、ローマに移ってから作風や展開が旧シリーズに回帰

メキシコで暗殺したスキアラの婦人であるルチアの家に押しかけて秘密を聞き出しつつのベッドイン…何だろう、ロジャー・ムーアやピアース・ブロスナンなら違和感がありませんが、ダニエル・クレイグだと違和感がでるんですよね、過去3作で硬派なイメージが付いているせいなのか。

秘密を聞き出したボンドは謎の組織の集会に潜入するんですが、その会議で悪人達がいちいち、我々の成果はこのようなもので…と発表するくだりは漫画チック

だけど、雰囲気がミステリアスで感じが出ています

ボンドが暗殺したスキアラの後継者に名乗りでガタイの良い無言の殺し屋ヒンクスは大柄のオッド・ジョブといった感じで、ボンド映画らしい悪役で良いですね

一つ残念なのは、特徴的なアイテムがないこと

オッド・ジョブなら殺人シルクハット、ジョーズなら鋼鉄の歯など、独自のアイコンみたいなのがありましたが、ヒンクスは強いだけでアイコンがありません

せめて、爪に刃が仕込まれているとか、義眼や義手だとか、もう少しキャラクターとして特徴が欲しかったですね

 

黒幕のオーベルハウザーは小柄ながら登場時、不気味なオーラがありました…が、後半に入ると小物っぽいキャラになってしまったのは残念

忘れかけていた記憶が呼び戻された…』とオーベルハウザーがボンドに語るも、実際は忘れるどころか1日も欠かさずボンドへの恨みを抱き続けていたことが判明

ボンドへの嫉妬心で世界的な犯罪組織が結成するとか、どんだけ根に持つ性格しているんだ…

スペクター構成員も黒幕が単なるファザコンと知ったら幻滅するのではないか?それとも作中で描かれていないカリスマ性を持っているのか?

 

個人的に一番期待していたアストンマーティンとジャガーのカーチェスは期待外れでした

カメラが揺れて見にくい欠点はありましたが『慰めの報酬』のような激しいぶつかり合いを期待していた人も多いと思いますが、スペクターのカーチェイスは夜のローマを舞台に、ヒンクスのジャガーの追跡をユーモアなシーンを織り交ぜて交わすだけという味気なさ

ストリートレースしているようにしか見えませんでしたし、ジョークも連発しすぎて緊迫感がなくなってしまうなど完全にマイナス要素となっていました

唯一、アストンマーチンの後部から炎が噴射した時は、ワクワクしましたけど(笑)

 

前回に引き続き、日本が登場するのは日本人としては嬉しいですね

ただ、スパイ天国の日本で各国の諜報機関が集って会議って英国流のブラックジョーク?

007の製作陣は「007は二度死ぬ」以降、マスコミのしつこい追っかけなどで参ってしまったのか、日本に対して距離を置いているようにも感じましたが、製作陣も世代交代したこともあって少しずつですが日本を扱うことが見受けられるようになりました

いつか、また日本を舞台にした作品を撮って欲しいところですね

 

今作のキーマンとなるミスター・ホワイトが『慰めの報酬』以来、7年ぶりに登場しましたが、謎の組織だった『クァンタム』についての説明は特になく、スペクターの下部組織という扱いになっていました

ミスターホワイトは、女や子供に手を出したからスペクターに反抗したとボンドに言いますが、自分だってヴェスパーを死に追いやったのでは?

ボンドも、恋人を死に追いやった男の娘と結ばれたり、色々と滅茶苦茶

 

指輪一つで組織のメンバーが割れたり、ボンドがスペクターに捕らわて拷問を受けるも、時計型爆弾で簡単に脱出するなど、やっつけ仕事と疑うような力技の連続

ムーア時代のボンドを再現しているような展開でした

ムーア時代のボンドが嫌いなわけではありません、むしろ好きなくらいですが、軽いノリやご都合主義満載の展開はロジャー・ムーアでなければ成立しないんですよ、個人的には。

クライマックス、Q一人の力でナインアイズのシステムのハッキングを成功させたり、ボンドがハンドガンでヘリを打ち落としたりと滅茶苦茶な展開は最後まで続くことに…

 

公開前、スペクターの首領ブロフェルドは登場するのか?と話題になっていましたが、オーベルハウザーが実はブロフェルドでしたというオチは予想の範囲内で驚きませんでした

スカイフォールで、マネーペニーや新しいⅯのサプライズをやってしまっていた為、さすがに3回も似たような演出されてもサプライズ性もないし、インパクトも薄いですよね

 

そもそも何故、作風が大幅に変わってしまったのだろうか?

ダニエル・クレイグがボンド映画の製作に意欲が無くなったのか?元々、2部作の予定を強引に1本にしたからなのか?シリアス続きの反動なのか?

理由は不明ですが『007/スペクター』の違和感はシリアスとコミカル、どっちつかずな作風だったからだと思います

 

旧シリーズのファンも満足させてダニエル・クレイグからのボンドファンも満足させる作品を作ろうとした結果、シリアスとコミカルが行ったり来たりするブレブレな作風になってしまったような気がします

シリアスならシリアス、コミカルなら『ダイヤモンドは永遠に』のように、ブロフェルドが女装するくらいぶっ飛んだことやってくれた方がスッキリ鑑賞できるんですけどね

 

スペクターの狙いも情報社会を牛耳るとか変なリアルティを持たせず、シンプルに世界征服を企むくらいのハッタリをかまして欲しかったですね

文句ばかり言ってきましたが、007シリーズでお気に入りの作品を聞かれたら1番ではなくても上位に挙げるくらい、「スペクター」を気に入っていますけど。

 

ボンド映画のお約束が復活したのは素直にうれしかったですし、強引な展開とは言え、過去作の伏線も回収しました

次のボンド映画はスペクターの続きなのか?一新した仕切り直しなのか?と色々、期待や想像ができる終わり方だったのも良い演出だったと思います

来年4月に公開予定の007シリーズ最新作『007/ノータイム・トゥ・ダイ』を心待ちにしています!

 

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